子供特有の叫び声で注意をひかれる。
「だーっせ! だーっせ! ちょーだっせ!」
「ださくないもん。お母さん頑張ってるもん!」
「級だろ。二級とかちょーだっせ!」
どうやら母親がやっている何かに対して、もう一方が馬鹿にしているようだ。
級というと何かの習い事だろうか。
茶華道やもしかしたら合気道みたいなものまでありえる。
なんだか興味が出てきて、歩く速度を落としながら聞き耳を立てる。
聞き耳を立てるも何も、何メートルも先に響いてる声だが。
「おばあちゃんの為になるって言ってるもん!」
「二級じゃ意味ねーじゃん! だーっせ! うわ、だーっせ!」
「ださくないもん!」
「俺の母ちゃんもっと上だもんね! お前の母ちゃん二級〜♪(馬鹿にした節で)」
姑の為になるっていうと、合気道のセンはなさそうだから茶華道や書道等だろうか。
というか馬鹿にする時に歌っぽくするってのはいまだにあるんだな……。
そのまま興味を持って聞き続けると、出てきた答えは意外なものだった。
「俺の母ちゃんホームヘルパーなんて弐段持ってるもんね!」

吹いた。
そしてその後のからかわれていた方の対応の変わり具合に涙。
「へぇ、そ、そうなんだぁ〜」
こいつぁ知ってやがる。ホームヘルパー弐段なんて存在しないことを。
知っていてあえて合わせてやっている。生ぬるいYASASHISA!
それまで子供同士だったのが、いつの間にかガキとちっちゃな大人になっていた。
子供って、何歳ぐらいから大人なんだろう……。



